色彩心理学療法士の仕事

色彩心理の資格者の活躍の場

色彩心理学療法士の仕事

小規模心理支援教室の運営・コミュニティ活動など

色彩心理学療法士の扱う家を描くワーク 色彩心理学療法士の子ども教室の仕事風景 色彩心理学療法士の行う色水の遊び 色彩心理学療法士の小規模教室の仕事風景

色は誰もが楽しく、気軽に取り組めるもの。子育て真っ最中のお母さんたちは、これで正しいのかどうか、不安や悩みを抱えながら日々を過ごしています。そんなお母さんという存在が、子どもたちにとっても家庭にとっても要(かなめ)であることは事実です。少しでも元気になって生活に戻ることができるような「母親支援活動」は色彩心理学療法士の取り組む代表的な活動の1つです。
 また、感受性が豊かで、繊細な子どもたちにとって、学校や友達との間で生まれる摩擦や軋轢は、解消できなければ大きな障害になってしまいます。そうなる前に、色遊びを通して、心がたくましく循環するよう育んでいくことができる「子ども支援」も、色彩心理学療法士たちが力を入れて取り組んできたことの1つです。
 他にも、社会に出る前の大学生たちへの就職支援、ひとりひとりの悩みに即した個別心理支援など、色だからこそできる心理支援の形があり、活動も多岐にわたります。深刻になりすぎることなく、自然の一部である心の営みを回復し、自然のもつ強さと優しさで人の心を育んでいく。色彩だからこそ、それができます。
 小さなコミュニティから大きなコミュニティまで、人と人とが関わり合い、自立してゆく力を得る現場を、色彩心理学療法士資格者たちは、それぞれの工夫の中で発信し、色とともに生きる活動を発信しています。

教育機関での色彩心理学教育や色彩心理学療法教育

色彩心理学療法士の大学での仕事風景 色彩心理学療法士の大学での仕事風景 色彩心理学療法士の大学での仕事風景 色彩心理学療法士の教える大学の生徒たちの作品

色彩心理学の日本での教育は、日本の歴史の中では、まだ浅いものになります。四季折々が展開される、色彩豊かな国でありながら、当たり前のようにそばにある色と、人の「心」とのつながりに、取り立てて目を向けることがありませんでした。しかし、近代科学の発展により、自然との関係性が遠くなり始めてから、その価値に気付き始めたのが昨今のことです。地道にゆっくりと、何が正しいことが、何が色彩の真実を語ることかを、揺れながら確立していく途上であると考えます。科学的なものとして色彩を考えることに針を振ることも、心理学的なものとして色彩を考えることに針を振ることも、どちらも間違いではなく、「色彩心理学」という学問を立たせてゆくために必要なことなのだと思います。

 色彩心理学ということが日本でいわれ始めた2003年頃から比べると、少しずつ色に対する見方が変化してきたように思います。どうしてピンク色の囚人服だと犯罪者が落ち着くのか、どうして赤い壁紙だと店の回転率が上がるのか、どうして青色防犯灯だと犯罪抑止に繋がるのか、どうして緑は平和な象徴とされるのか、などの社会現象を解明するために、色彩に関する表層的なものの見方を超えて、普遍的なものの見方に興味を持ち始めています。教育機関や隣接する学術領域からもニーズを受け、私たち色彩心理学療法士は、色彩を心理学的に考えていくための術や、その背景についての含みをもった教育を、感じる心を手放すことなく、発信できる現場であれるよう、尽力しています。
 現在では、大学などの教育機関をはじめ、ニーズに応じた色彩心理学教育を色彩心理学療法士が展開しています。

企業ニーズに応じた色彩設計・色彩計画活動

色彩心理学療法士たちの仕事の風景:色彩計画 色の調合風景 色彩心理学療法士の色彩計画風景 色彩心理学療法士の仕事:色彩計画提案書

企業から依頼を受けて、商品開発における色彩配色や色彩監修などを、色彩心理学的見地から、つまり、色が人の心に与える影響に基づいて計画、提案をします。電球の光の色や、教科書におけるデザイン配色、ランドセルや企業ロゴ、企業カラー、店舗などの目的をもった店の壁紙などの配色、WEBデザインにおける配色など、ニーズに応じた色彩配色を色彩の与える影響から計画、提案します。

 色彩心理学療法士が行う色彩計画は、色彩の役割を、「自然のことば」としての根本から検証しながら提案するため、人間の普遍的なイメージに沿った色彩計画や、目的に沿った効果をあげるための色彩計画ができます。色彩という力をとりいれて、実現を支援します。

 状況によっては、人間の心の状態と色彩には深い関連があることを社内研修したのちに、内や外のニーズに応じた色彩計画を共同企画することもあります。色彩心理学療法士は、色彩計画を通して人類の心の課題に取り組む提案や、エコロジーや自然との共生への提案なども視野に入れ、色彩とともに生きる社会のあり方を発信しています。

メディア媒体による普及活動

色彩心理学療法士の雑誌取材 色彩心理学療法士の仕事:新聞取材 色彩心理学療法士の雑誌取材 色彩心理学療法士の仕事:新聞取材

 メディアなどの取材に関しては、この十数年間、多くの取材を受けてきました。ニュース番組やテレビ番組、新聞、雑誌など、色彩心理学的見地から説明が必要な、ざまざまな時代背景における色彩現象について話をしてきました。そして残念ながら、話した情報の都合のいい必要な部分だけが切り取られ、流れてゆくことを目の当たりにしました。それは、仕方がないことなのかもしれませんが、色彩を記号的に解釈することが、いつのときも私たちの目的ではありませんでした。私たちは、メディア取材を、前向きに行うことが今後の課題だと思います。
 メディア媒体という社会との接点を通して、色彩とはどんなものなのか、色彩と人間とはどんな関係にあるのかを、伝えてゆかねばならないと思います。絵本を書いたり、本を書いたり、できるだけこの色彩心理学のほんとうのところが、色の不思議や割り切れない世界が損なわれないよう、取り組んでいきたいと思います。素晴らしい個性をもつ色彩心理学療法士資格者たちとともに、伝える手段を模索してゆきたいと思います。ぜひ、これから色彩心理学療法士になろうとしている方々にも、力を貸してもらいいたいと思います。

自然保全にむけた色彩活動

色彩心理学療法士の仕事:3原色の教育 色彩心理学療法士は自然保護の観点からも活動します 色彩心理学療法士の仕事:自然の3原色を知る活動 色彩心理学療法士の仕事:青を知るワーク

今このときには、近代科学と物質主義の未曾有の発展が、人間に豊かさをもたらし、恩恵をもたらしてきた事実があります。しかし、その近代的自然観の裏側で、人間という存在そのものが貧困化し、衰弱の一途を辿っているように感じます。今、何より求められていることは、「人間とは何か」という存在の根源に立ち返ること、その意味や価値を問い返すことではないかと、私たち色彩心理学療法士は考えています。全自然の中に浸透している精神を学ぶ時間は、色彩を学ぶことで訪れます。そのような芸術の時間が一人でも多くのひとに、1時間で多く、体験できる機会を提供したいと活動しています。

 ひと一人の内部にも、自然や宇宙があるということを発見することは、色彩活動の現場では難しいことではありません。「生きるということ自体が創造活動である」ことを、河合隼雄先生はおっしゃっていましたが、私たちが創造的に自分の人生を生きるためにも、私の内なる自然を耕し、守ることが、外なる自然の豊かさに目をむけ、守ることに繋がることを信じて、色彩心理学療法士は色彩とともに活動しています。

色彩心理の資格者の声を聞いてみたい♪

色彩心理学療法士インタビュー

色彩と寄り添い、心を尽くして生きて行く事の

楽しさも大変さも味わって行くことができる仕事です!

1級色彩心理学療法士岸 泉

[ Q1 ] 色彩心理学療法士になろうとした理由を教えてください。

[ A ] 私が生きていくうえで、向き合って行く課題や悩みに対処していくやり方を求めていたときに、色彩心理学に出会うことが出来ました。色で心を元気にしていくことを自分だけにとどめず、一人でも多くの方に広げていきたいと思いました。

[ Q2 ] 色彩心理学療法士とはあなたにとってどんな資格ですか?

[ A ][A]療法の現場では、ご参加いただく皆様とご一緒に、色彩体験をする時間はかけがえのない宝であり、心を尽くして生きて行くことの楽しさも大変さも味わうことができます。療法士としても、一人の人間としても、たゆまなく成長させて行ける資格だと思います。

[ Q3 ] 色彩心理学療法士になる前となった後とでは、どんな変化がありましたか?

[ A ]色彩心理学療法士になる前は、学ぶことや色彩で表現することを楽しみながら、色彩の力を借りて、自分自身を救うことで精いっぱいだったように思います。療法士の資格をいただいてからは、自分について知り、認めて行けるようになることが、周りの人達や社会との関係性、さらに療法士の活動においても大切な事であると思いました。色彩の力で心が動き出して、変化していく体験を、他の方々にも是非味わっていただきたいという気持ちが強くなりました。

[ Q4 ] 色彩心理学療法士としてどんな活動をしていますか?やってみたいことなどもあれば教えてください。

[ A ]各地の自治体が主催されている講座で、心理支援の活動をさせていただいたり、自主的に色彩心理学療法の講座を企画して開催させていただいています。また、3級色彩心理学療法士の育成にも力を入れています。やってみたいこととしては、今住んでいる北海道で色彩心理学療法士の研修会を行ってみたいです。

[ Q5 ] この学び舎について、または先生方について、思うことを教えてください。

[ A ]研究所では、リラックスできて、守られている場所で、学びの時間を過ごさせていただいています。それは、先生方とスタッフの皆様が、常に受講生に心をかけて、つぶさに見て下さっているお蔭であると思います。いつもさりげなく細やかに、思いやりとユーモアを持って、手を差し伸べて下さっていることを感じています。

[ Q6 ] 色彩心理学療法士になるための授業は、あなたにとってどのようなものでしたか。

[ A ]学びを重ねて行くことで、私が自然界の一部であるという認識が深まって行きます。そして、色彩と自然と繋がり、自分に根付いて、世界を広げる力を身につけて行けます。色彩に寄り添って、感じる心を手離さずに、あるがままの自分を認めて行く道のりは、平坦ではありません。ですが、この自分でやっていくという希望と勇気を与えていただきながら、色彩心理学療法士になるための多様な講義を受講させていただきました。

[ Q7 ] これから色彩心理学療法士になろうと学び始める方に、何かお伝えしたいことがあれば教えてください。

[ A ]色彩と心との関係性についての本物の学びが、この学び舎にあります。色を深く、心理学的に学ぶことのできる場所です。好奇心を大切にして、創造的に生きてくやり方を、自然の色から学ぶことで身に付けていく事ができます。色彩の力を借りて、私の中の可能性を目覚めさせて、社会に貢献していく扉をぜひ開いてみてください。

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